- 客員研究員、Visiting Postdoctoral Fellow
- 魚谷 貴洋 (うおたに たかひろ)
- 所属(Alma Mater)
- ベイラー医科大学(Department of Medicine, Gastroenterology and Hepatology, Baylor College of Medicine)、大分大学医学部 環境・予防医学講座
- 出身大学(Alma Mater)
- 島根医科大学 (現・島根大学 医学部)
- 卒業年次(Graduation year)
- 2001
- 出身地(Home country)
- 静岡県
- 専門(Major)
- 消化器内科
- メッセージ(Message)
-
2014年4月からヒューストンのベイラー医科大学消化器内科に留学させて頂いています。当施設はこれまで、山岡教授を中心にヘリコバクター・ピロリ菌 (ピロリ菌) の新たな病原因子の検索、感染に伴う生体反応、胃癌発癌メカニズムの解明などの研究のみならず、基礎研究を臨床応用する多数の試みを行ってきました。これらの研究は、ピロリ菌に関する疾病の予防と治療を最適化するために重要な位置を占めることは今や異論はなく、世界をリードする当施設での研究を希望するに至りました。
こちらではピロリ菌の世界的権威であるグラハム教授のご指導のもと、近年開発されたオーガノイドを用いて、ピロリ菌感染の影響について研究に勤しんでいます。しかしながらこの手法は最新であるが故に、未だ確立していない部分も少なくありません。そのため、ベイラー医科大学の微生物学講座を含む様々な専門家と緊密に連携を保ち、頻繁に意見交換を行うことにより種々の問題を解決しながら、新分野の開拓に日々邁進しています。
海外で研究生活を続ける意味は、第一に日本では行えない研究が出来ることにあります。最先端のテーマを最新の技術を用いて独自に研究を行うということは、やはり研究者冥利に尽きるものです。そのすべてがここヒューストンにはあります。第二に海外の優秀な研究者に直接触れる機会があることにあります。もちろん少なからず言語の問題はありますが、熱意をもって話せば真摯に対応してもらえ、メールでのやり取りとは違った手ごたえが得られます。どちらも日本では経験することはできず、私自身の研究に対する価値観に大きく影響を及ぼしました。
こちらで精いっぱい努力して研究を継続していくことが、私の留学生活を実りあるものとし、さらには環境・予防医学講座の発展に貢献できる唯一の方法と信じて、これからも研究を行っていきたいと考えています。